太陽光発電システムを導入する際は、「経産省・環境省・国交省」等の補助金情報を確認しましょう。
新規事業の立ち上げに必要な設備や施設の準備に役立ち、自己投資金の負担を軽減できます。
本記事では、各省庁の公募情報について、2025年度(令和7年度)の補助金制度について解説します。
なお、手続きのタイミングは、来年4月1日以降に申請できます。
1. 補助金予算額は増加の見込み
「経済産業省」「環境省」より、毎年、公表されている太陽光発電の補助金制度については、2025年度概算要求額
が増加の見込みです。
予算案については、12月に閣議決定され、「脱炭素」「再エネ」に利用できる補助金となっています。
経済産業省の2025年度概算要求額については、総額「2兆 3,596 億円」で2024年度当初予算の
「1兆9072億円」より23.7%増となっています。
- ⼀般会計:4,415 億円(前年度当初予算:3580億円)
- エネルギー対策特別会計:7,818 億円(同:7542億円)
- GX 推進対策費:9,818 億円(同:6429億円)
- 特許特別会計 :1,546 億円(同:1521億円)
環境省の2025年度概算要求額については、総額「7,962億円」で2024年度より「2,215億円」増額と
なっています。
- 一般会計:1,730億円(前年度当初予算:1,480億円)
- エネルギー対策特別会計:1,816億円(同:1,695億円)
- GX推進対策費:2,318億円(同:204億円)
- 東日本大震災復興特別会計:2,470億円(同:2,468億円)
2. 経済産業省の補助金情報
経済産業省の補助金制度について、企業の皆さまが活用する際に必要な情報を紹介します。
需要家主導型太陽光発電及び再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
温室効果ガス削減目標の実現に向けて、以下の2つの事業に対して補助金制度を活用できます。
- 需要家主導型太陽光発電導入支援事業
- 再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
需要家主導型太陽光発電導入支援事業
自社で太陽光発電の設置場所(屋根や敷地)を確保することができない場合に、設備を遠隔地に設置して
発電した電気を自社で活用することができます。
再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入支援事業
再エネ事業を行う需要家が、発電事業者と長期間の電気利用契約を結び、発電事業者は、太陽光発電設備の設置
を行って電気を供給します。
導入モデルにおいては、太陽光発電設備と蓄電池の設置費用の補助が適用され、再エネ事業の運用に取り組む
ことができるようになります。
- 予算額:113億円
- 対象者:発電事業者
- 対象設備太陽光発電、蓄電池
- 補助率:1/3~1/2
3. 環境省の補助金情報
環境省の補助金制度について、活用する際に必要な情報を紹介します。
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
屋根等を活用した自家消費型の太陽光発電設備、蓄電池の導入を支援する補助金制度です。
太陽光発電設備や蓄電池の価格低減を促進しながら、ストレージパリティ(太陽光発電設備と蓄電池の併用に
よって高まる経済的メリット)の達成と脱炭素化、防災性の向上を目的としています。
自社の屋根または敷地内に太陽光発電と蓄電池等を設置して、発電した電気を自家消費する目的で活用できます。
注意点としては、太陽光発電設備のみでは補助金対象とならないため、同時設置で蓄電池、EV/PHEV、充放電設備と併用する場合に対象となります。
- 予算額:119億円
- 対象者:需要家
- 対象設備:太陽光発電、蓄電池、EV/PHEV、充放電設備
- 補助率:太陽光発電設備 4~5万円/kW(戸建て除く)蓄電池(未定)EV/PHEV 蓄電容量の1/2×4万円/kWh充放電設備(未定)
建物等における太陽光発電の新たな設置手法活用事業
敷地内の駐車場スペースを活用して「ソーラーカーポート」を設置するために利用できる補助金制度です。
発電した電気を自家消費する目的として活用する場合が対象です。
ソーラーカーポートのみの設置、またはEV/PHEV、充放電設備を併用して同時設置する場合のいずれも適用されます。
- 予算額:119億円
- 対象者:需要家
- 対象設備:ソーラーカーポート・蓄電池・EV/PHEV・充放電設備
補助率:1/3ソーラーカーポート 8万円/kW蓄電池(未定)
なお、2024年度から2025年度への変更内容については、以下の点について確認しておきましょう。
- 2024年度:対象費用の3分の1にあたる金額を補助
- 2025年度:ソーラーカーポートの発電出力1kWあたり8万円
4. 国交省の補助金情報
国土交通省の補助金制度について、活用する際に必要な情報を紹介します。
既存建築物省エネ化推進事業
民間事業者等が行う省エネルギー改修工事や省エネルギー改修工事に実施するバリアフリー改修工事が対象
となる補助金制度です。
建築物ストックの省エネルギー改修等の促進を目的としてます。
補助金支給の要件
- 躯体(壁・天井等)の省エネ改修を伴うものであること
- 改修前と比較して20%以上の省エネ効果が見込まれること (外皮改修面積割合が20%を超える場合は 15%以上)
- 改修後に一定の省エネ性能に関する基準を満たすこと
- 省エネ性能を表示すること
- 予算額:55.97億円
- 対象者:民間事業者等
- 対象設備:省エネ改修工事、バリアフリー改修工事、エネ ルギー計測、省エネ性能の表示
- 補助率:1/3
5. ZEH関連補助金
ZEH(Net Zero Energy House・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)では、年間の一次エネルギー消費量が、
ゼロ以下となる住宅を目指します。
戸建住宅ZEH化等支援事業【環境省・経済産業省・国土交通省】
- 予算額:75.5億円
- 対象者:民間事業者等
- 対象設備:HEMS、高効率照明・空調・給湯器、省エネ換気、太陽光発電、蓄電システム、EV充電設備
- 補助額:
- 戸建住宅(注文・建売)で、ZEHの交付要件を満たす住宅を新築する者に対する「定額補助55万円/戸」
- ZEH以上の更なる省エネと断熱等級性能6以上の外皮性能を満たした上で、省エネ機器の制御や設備の効率的運用等により再エネの自家消費率拡大を目指した戸建住宅(ZEH+)に対する「定額補助90万円/戸」
- 蓄電システム2万円/kWh 「上限額20万円/台」等
- 戸建住宅ZEH+ 高度エネマネ、おひさまエコキュート、EV充電設備導入に別途補助として高度エネマネ「定額2万円/戸」等
集合住宅の省CO2化促進事業【環境省・経済産業省】
- 予算額:39.4億円
- 対象者:民間事業者等
- 対象設備:HEMS、高効率照明。高効率空調。省エネ換気。高効率給湯器、
太陽光発電、蓄電システム、EV充電設備、V2H充電設備 - 補助額:
- 新築低層ZEH-M(3層以下)への定額補助「40万円/戸」
- 新築中層ZEH-M(4、5層)への定率補助 補助率1/3以内 「上限50万円/戸」
- 新築高層ZEH-M(6~20層)への定率補助 補助率1/3以内「上限40万円/戸」
- 上記に蓄電システム又はV2Hを導入する場合に別途補助
蓄電システム2万円/kWh「上限額20万円/台一定の条件を満たす場合は24万円/台」
6. 2025年補助金を活用する方法
2025年度の補助金制度を活用する際は、スケジュール、公募内容、申請方法などについて、事前に確認して
計画的に手続きを進めていきましょう。
補助金活用の事前準備のポイント
- 公募期間・予算額の確認
- 前年度の公募情報を確認
- 補助金制度の説明会への参加
- 申請書・書類作成の準備
公募期間・予算情報を確認する
2025年度の補助金制度の公募スケジュールは、翌年2025年4月1日以降となります。
公募スタートまでの期間に「経済産業省」「環境省」「国土交通省」など、各省庁の公式ホームページより募集要項が公表されます。
予算額や公募情報については、随時更新されますので内容を定期的に確認することをおすすめします。
前年の補助金公募情報を確認する
翌年2025年度の補助金制度に応募する際は、前年度2024年度の補助金情報を参考にチェックしておきましょう。
補助金制度の活用においては、公募期間や予算上限額が決まっているため、公募予定がある場合は、早めの対応が必要です。
迅速な対応ができるためにも、過去の公募情報を参考にシュミレーションをしておきましょう。
補助金説明会へ参加する
執行団体が主催する補助金説明会に参加することで、制度内容の全体像を把握することができます。
特に、採択には影響はありませんが、公募情報の理解が深まり質問があれば解消することができるメリットがあります。
補助金受け取りまでの手順、審査基準などわかりやすく説明を受けることができます。
申請書類の作成をする
補助金内容に対して、申請必要書類(事業計画書、費用見積書など)を作成し、指定のフォーマットに記入して
公募期間までに提出できるように準備をします。
補助金の審査基準については、申請要件を満たしていること、目的にそった事業計画であること、書類内容や
添付資料などに不備がないこと等から判断されます。
補助金の採択されるためには、事業計画書をわかりやすく作成できるように専門的な知識が必要です。
申請書類の作成については、専門家のサポートを受けることで自社担当者の負担を減らして手続きをスムーズに進めることができるようになります。
まとめ
2025年度の太陽光発電の補助金情報をご紹介いたしました。
各省庁より2025年4月1日以降から具体的な公募情報が発表されますので、過去の公募情報を参考に事前にシュミレーションを行って、申請手続きの準備を始めましょう。